​副業にかかる税金って何?なぜ必要?わかりやすく解説します

2019年5月29日

副業をする際に気になるのが、税金のこと。
副業を始めたいのに、なんだか複雑そうだと抵抗感を感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、副業に関係する税金についてやさしく解説します。疑問がクリアになり、少しでも副業に関する抵抗感が軽くなるきっかけになれば幸いです。

そもそも副業にも税金を払わなくてはいけない理由は?

まずここから確認してみましょう。なぜ我々日本国民は税金を払わなくてはならないのでしょうか?

答えは国民の義務に納税があるからです。日本国憲法には国民の義務として、「教育」「勤労」そして「納税」を定めているのです。

第三十条第30条
国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

実は法律ではなく、憲法で定められているというのがポイントです。つまり、重要度が段違いなのです。
納税は、国民の本質的な義務のうちの1つであると定められています。税金が無ければ国家は運営できないので、そのために税金が存在しています。

これを払わなければ基本的には脱税となり、その罪は重く設定されています。
でも、なぜ重いのでしょうか?脱税しても罪が軽ければ、税金を納めなくても大したことにならないというメッセージになってしまうためです。そのためあえて脱税の罪は重くなっています。

つまり脱税に国家は妥協せず、容赦なく追求してきます。その点は肝に命じておきましょう。ちょろまかすことはそもそも無理であり、きちんと納税することが大前提です。

副業に関係するのは主に住民税と所得税

副業に関係してくる税金は主に2つ。住民税所得税です。
(厳密には、ほかに事業税と消費税、固定資産税が存在しています。
事業税は事業を自ら営んだ上で確定申告を行えば、役所で自動的に計算され通知が届くので個人で計算する必要はありません。
消費税も減免措置等があり副業程度の収入で意識する事はほとんどなく、固定資産税は副業を営む上で固定資産税が発生するような資産を持っていなければ発生しません。そのため残った所得税と住民税が問題になります。)

住民税

住民税はあなたが住んでいる市区町村と都道府県に対してそれぞれ支払わなければならないものです。支払いの方法によっては本来の職場に通知が行くため、いわゆる副業バレをしてしまう厄介な税金です。

支払い方法をきちんと選べばそのような事態を避けられる可能性があります。さらにその金額は確定申告をすれば役所にて自動で計算されるため、あなたが計算する必要はありません(もちろん支出を管理すると言う意味合いである程度どのくらいの金額なのかを把握する必要はあります。およそ10%が目安です)。

所得税

そして最も厄介で重要なのが何かしら稼いだ場合に払わなければならない所得税です。
なぜ厄介なのかと言うと、

  • 税額を自分で計算する必要がある
  • その金額を自ら税務署に申告する必要がある

からです。しかも間違えると最悪の場合、税務署による税務調査が入ってしまいます

この金額を税務署に申告する作業を確定申告といいます。そしてこの確定申告は実はサラリーマンだろうと個人事業主だろうと、基本的には全労働者が提出する必要があります

「でも、今までそんなことをしたことがない」という方も多いはずです。
それは

1.あなたが扶養と呼ばれる確定申告をしなくても良い人だった
2.年末調整であなたの会社やバイト先が代理で申請作業を行った

…からです。

もしあなたがサラリーマンであれば、基本的に後者の年末調整になります。あなたがあまり意識していないところで、会社が代わりに申告をしていたのです。

なぜ会社が代わりにあなたの確定申告を行えるのかと言うと、あなたが副業を行わない限り「その会社からの給与=その人の所得」だからです。確定申告はする側も受け取る側も面倒なので、会社が給料を把握している限り=その人の全所得を把握している限りは、代わりに確定申告をまとめて行うことができるのです。

これこそが会社があなたの副業を把握したがる理由の1つでもあります。会社は納税の義務を果たすために、あなたの全所得をきちんと把握する必要があるというわけです。

しかし人には基本的な自由として、どういう労働でも行える権利があります。あなたが何でどれだけ儲けようが基本的には自由なのです。
そのため会社が申告することに強制力はなく、あなたがサラリーマンであっても自由に申告方法を選ぶことができます(ただし競業防止などで最悪の場合に解雇されることはあり得ます。これもまた会社に認められた自由なのです)。

副業を始めるという事は、会社やバイト先から行っていた年末調整から外れることになります。その代わりに、あなたが税務署に対して何をどのくらい儲かったかをきちんと報告する必要が出てくるのです。

副業にかかる税金である、所得税の計算方法

副業にかかる税金について分かったところで、所得税が最も厄介そうであることがご理解いただけたと思います。ではその所得税額はどのように計算するのでしょうか?

まず大前提として、あなたの本業と副業が何かしら法律的に区別されるわけではないと言うことです。常に本業と副業で合算して考える必要があります。
そしてまず、所得金額について考えます。

そもそも所得金額とは?

あなたの収入に対して、経費を引いたものが所得金額になります。例えば300円のものを買ってきて500円で売った場合、500円が収入、300円が経費、余った200円が所得金額になります。

とは言っても、サラリーマンにはちょっと理解し辛いかもしれません。サラリーマンの給料は仕入れに何かしらの経費がかかっているわけではないからです。そう、実は所得の種類によって経費がない、もしくは認められていないものがあるのです。
今回のサラリーマンのような、会社から給与として収入を得る場合、そこに経費は(殆ど)認められません。よって給与=所得になるのです(賞与ももちろん入ります。なお退職金は別扱い)。

給与所得でない場合はどうでしょうか。副業で何かを仕入れて高く売っていた場合、その仕入れにかかる額はもちろん経費です。そのため収入と所得の違いが発生することになります。

つまり収入の種類によって、経費が認められたり認められなかったりします。本業と副業のそれぞれの収入に対して、所得金額を計算することがまず最初の一歩です。

所得金額を把握できたら、次は控除を考える必要があります。

控除とは?

控除とはこの金額には税金をかけなくてもいいと言うお目こぼしのことです。この金額からは課税されないので、一種の聖域にも近いものです。所得額からこの控除額を引くことで、所得税の計算に使える所得額が求まります。

そしてこの控除も様々な種類があり、所得の種類によって認められているものや認められていないものがあります。つまりどの種類の収入が発生しているのかをきちんと把握することで、控除が定まり、所得額がきちんと定まるのです。

以上を踏まえて所得金額を計算する

副業に関係するような収入の種類としては以下のようなものがあり、それぞれ計算方法が異なります。

給与所得:パート・アルバイトなど

アルバイト代、給与は既に手取りの時点で所得税が差し引かれています。あなたのお給料が税金を既に引かれているのと同じです。
ただしアルバイトは本来の税率よりも高い税率で引かれている場合がほとんどです。確定申告をすれば税金が戻ってくる場合もあります。

そして給与所得控除と呼ばれる38万円分の控除があります。これを言い換えれば所得金額が38万円以内なら納税しなくて良いということです。つまり確定申告が不要になります(※あくまで給与所得だけの話。他の所得と合算して考える必要があります)

給与所得金額=1年間の給与合計金額-給与所得控除

事業所得:クラウドソーシング・内職など

単発の臨時収入としてではなく、独立・継続・反復して(=つまり、事業として)クラウドソーシングを使う場合に限られます。ただ、サラリーマンが副業として行う場合は殆ど雑所得扱いになります。

雑所得にすると青色申告特別控除(※青色申告をする場合)と言われる特別な控除がなくなるので、税務署は敏感なところです。
事業所得としたい場合は、なぜ事業なのかをきちんと説明できる材料が必要になります。

事業所得金額=売上-経費-青色申告特別控除(10万円又は65万円)

雑所得:事業の規模にならないもの

事業の規模にならないものは雑所得です。売上から経費を差し引いたものが所得になります。
これは青色申告はできないので控除もありません。

雑所得金額=売上-経費

不動産所得:マンション・アパート経営など

副業でもマンション・アパート経営をしている場合は不動産所得です。家賃や礼金としての収入から経費を差し引くと所得金額となります。また青色申告特別控除が使えます。
不動産所得金額=売上-経費-青色申告特別控除(10万円又は65万円)

ちなみに青色申告を行う場合、様々な帳票類には保存義務があります。あなたがきちんとお金を動かし、稼いだ証拠になるためです。具体的には7年間の領収書と帳簿付けが必要になっています。
面倒ですが、メリットもあり赤字の際の損失の繰越し、さらには税金の還付が受けられる場合があります。

なお、その他にも所得の種類には以下があります。

  • 公社債や預貯金の利子・貸付信託や公社債投信の収益の分配などから生じる利子所得
  • 株式の配当、証券投資信託の収益の分配、出資の剰余金の分配などから生じる配当所得
  • 5年を超えて所有していた山林を伐採して売ったり、又は立木のまま売った山林所得
  • 事業用の固定資産や家庭用の資産などを売った譲渡所得
  • クイズの賞金や満期保険金などの一時所得

これらの定義や計算方法は国税庁のHPをご覧ください。

合計して所得金額の総計を計算する

これらの様々な所得の合計を計算します。これがあなたの1年間の副業を合わせた所得金額になるわけです。
ここから所得控除を引きます。これはあなたが存在さえしていれば認められている控除額のことです。さらに家族の有無、持ち家といった財産の有無などによって控除額に差が生じます。

この控除額を引くことで、課税所得金額が求まります。さらにそこから課税所得金額の規模にそれぞれ応じた所得税の計算をすることで、所得税額が求まります。
日本は累進課税制度と言われる、所得が増えれば増えるほど所得税率が重くなる仕組みです。つまりあなたが稼いでいればいるほど、税金が重くなります。大雑把なイメージを掴むために、下記の表をご覧ください。

国税庁HPより引用。

納税額の決定

ここまで計算してからもさらにステップがあります。さらに特殊な税額控除が認められているのです。具体的には政党に対する寄付金等が税額控除として認められています。
この金額から、復興特別所得税(所得税額の2.1%)がかかります。これは東日本大震災からの復興税として令和20年まで課税されるものです。

これらを全て合計したものが、確定申告にて必用になる納税額になります。

※ちなみに、これらの合計が20万円に到達しない場合は確定申告不要
最後になってしまいましたが、実は抜け穴とも言うべき点があります。副業が20万円に達しない場合は申告不要なのです。そのため1ヵ月に15,000円程度しか稼いでいないのであれば、これらの計算をする必要はありません。

副業にかかる税金についてのまとめ

いかがだったでしょうか。副業にかかる税金について、納税の意義から主に必要になる所得税の計算方法までご紹介しました。思ったよりもかなり複雑だと言う印象を受けたのではないでしょうか。
かつては個人事業主はこれらの計算を全て自ら行っていました。しかし昨今では会計ソフトの発展が著しく、領収書などの帳票類を撮影するだけで所得を計算するアプリなども登場してきています。
副業にチャレンジされる際は、ぜひともこういった税金に対する体制も整えてから挑んでみてはいかがでしょうか。