家賃も経費で落せる!家事按分はどのくらいが妥当?

個人事業主として必ずやらなくてはいけないことの一つに、確定申告があります。
そして確定申告とは基本的に、「売り上げ」と「経費」を区別して、その課税所得がどのくらいあったのかをきちんと確定させる作業に他なりません。

つまり経費をなるべく増やせれば課税所得を減らせるので、事業に必要なお金はなるべく経費にしたいところ。そしてあなたの生活費の支出の多くを占めている家賃を、経費として計上できる家事按分と言う仕組みをご存知でしょうか。

家事按分=公私共用の支出への割り当て

家事按分とは「事業用に必要な経費」と、「事業に関係のないプライベートな出費」が一体になっている支出に、それぞれ何パーセント分と割合を設定することです。

例えばあなたが家賃50,000円の自宅兼事務所に住んで作業しているとします。そして、その家の面積の4割を占める部屋を事務所として使用していると、あなたは家賃の4割、つまり20,000円を事業用に必要な経費として計上することができるのです。

家事按分とは事業用と生活費がそれぞれ入り混じっているような家賃や携帯電話料金、車の料金などにそれぞれ割り当てを設定していく作業なのです。

家事按分には合理的な根拠が必要

実際、一般的な会計ソフトでは家事按分をそれぞれの支出に対して、0.1%から99.9%の間で割り当てをすることが可能になっています。

しかし会計ソフトでできるからといって、例えば安易に家賃の90%を経費として計上することはできません。なぜそのような割り振りになったのかをきちんと説明する必要があるのです。

あまりにも極端な家事按分をすると税務調査の対象になる可能性があります
例えば支払っている家賃のうち90%を家事按分する場合、借りている床面積の9割を事業用にしていることを意味します。その計算に至るだけのまっとうな理由が必要です。仮にもしあなたがその事業をやめるとしたら「その床面積の9割分は必要ない」と言う事にならなくてはならないわけです。
あなたの自宅の90%が事業用に使われていると言う事はまずありえないことですので、このような計上には無理があると言うことになります。

しかし本当に90%以上を使っている場合もありますよね。例えばあなたは車を営業のために使うとします。その車を1割しか私用に使っておらず、9割ほど仕事で使っているのだとしたら、9割を事業用の費用として家事按分し計上することができます。

実際に家事按分の仕方を考えてみよう

家事按分には実態に即した割り当てが必要になります。
ではその「実態に則した割り当て」とは何なのか、いくつかの例を通して考えてみましょう。

自宅兼事務所で作業している場合

もし事務所が明確に分かれているとしたら

あなたが個人事業を営む上で、必要な事務所が、明確に区別されて自宅の中に存在するものとします。この場合は、床面積に応じて必要な家賃を家事按分することができます

例えばあなたが50平米の床面積を持つ賃貸物件に住んでいたとして、そのうち作業用の部屋が15平方メートルを占めているとしましょう。つまり3割ほどが事業用として使われているわけですので、家賃の10分の3を経費として計上することができます。

作業場所と私用の部屋が分かれていなかったら

ではもう少し複雑な場合を考えてみましょう。

あなたがパソコン1台でできるWebライティングやインターネットビジネスを営んでいる場合はどうでしょうか。自宅の中にこれといった作業場所は必要ないことになりますので、この場合は面積では計算できません。

ここで、使用時間に応じた家事按分ができるようになります。例えば毎日8時間×週5日、その作業に費やしていたとします。そうなると8時間× 5日で40時間、月では× 4倍の160時間をあなたはその個人事業に費やしていることになります。1ヵ月は24時間× 30日間の720時間ですので家事按分できるのは720分の160、すなわち22.2%を経費として計上できることになるでしょう。

同じように携帯電話の使用料も時間に分けて家事按分することは可能です。しかし本来であればこのような状況は望ましくありません。携帯電話は仕事様に必要な場合に新しく契約しておくのが本来の姿であると言えるでしょう。

電気代はどうなる?

さて、上記は家賃の話でしたが、光熱費はどう考えるべきでしょうか?

こちらも原則的に事業用と私用とで実態に則した按分になっていなければなりません。例えば電気代であれば、事業用に使うコンセントの数などを定めておいて、何分のいくつを使っているからこれだけを家事按分すると言うことを計算しておかなければなりません。またガス代は、特殊な事情がない限りは認められないといえるでしょう。

また実家で個人事業主をやっており、親に光熱費を支払っていない場合は家事按分することはできません。実際に支払っていない秋費用に対して経費の計上することはできないからです。親と生計が異なる場合で、かつ実際に経費として支払った帳票類が整っている場合のみ、経費として計上することが可能になります。

事業に必要な車を8割仕事・2割を私用に使っていたら

さて今度は家賃や光熱費ではなく、車の場合を考えてみましょう。あなたが車を所有していて、そのうち大体8割位を仕事に、2割位を私用のために使っているとしましょう。しかし、あくまでこれはあなたの感覚値。実際に按分する上で計算するには何を根拠にするべきでしょうか。

このような場合、按分の根拠になるのは走行距離などが考えられます。つまり毎週100キロを使っていたとして、事業用におよそ何キロ位を走行しているのかを大雑把に計算してみれば良いのです。
体感的には8割でも、走行距離から計算してみると6割や7割といったパターンもありますので、1回きちんと計算してみると良いでしょう。なお、車を走らせるために必要なガソリン代も同じように按分が可能です。また月ごとに割合が異なる場合は、会計ソフトの使用上月ごとに異なる家事按分率が設定できないことも多いです。そのような場合はあくまで会計年度を通した平均的な数値になるように設定しておきましょう。

実際の税務調査ではそこまで突っ込まれる事はほぼない

ここまで家事按分の考え方について例を挙げながらお伝えしてきましたが、実際には税務調査の対象として家事按分がもめる事はほぼありません。というのも税務調査では経費の額が大きい順に調査の対象になります。実際に経費として家賃や光熱費が占める割合が多い場合など、無茶苦茶な按分をしていれば確定申告の際に否認されることも考えられますが、税務調査では実際にどれだけ事業用と私用で使い分けをしているのかを見極める事は難しく、かなり突っ込まれにくい部類に入る経費であることは間違いないと言われています。
実態に即していない完全ファンタジーは脱税行為ですが、ある程度実態に即した按分ができていれば問題ありません

まとめ、家事按分で賢い節税を

いかがだったでしょうか。家事按分をすることにより、私用な経費として見られがちな家賃や電気代、車の支出などを経費として計上することができるようになります。
そして求められるのは実態に則した合理的な按分です。皆さんもぜひ活用してみましょう。