業務委託で無理なオーダーをされたときの断り方とは?

業務委託では時々、どう考えてもその期日には間に合わないよね、と言う仕事が舞い込んできたりします。

たいてい「このデザインをお願いします。今日中に」だったり、「このコードをいい感じにしてしておいて。明日まで」といった、むちゃぶりです。

そんな時にどうすれば良いのでしょうか?対処法をお教えします。

解決策はズバリ、提案しながらお断りすること

さて、結論から言うと、あからさまに無理なものはどう頑張っても無理なので、絶対に「できます」とは言ってはいけません。あなたが業務委託で複数の仕事をしていて、立て込んでいる場合はなおさらです。

1つの仕事で予想時間が大幅に上回ってしまった場合、他の業務の時間が取れず関係ない仕事にも迷惑をかけることになります。そのような事態はあなたの個人の信用を失うことになるわけです。

つまり最終的にはお断りすることになるのですが、その断り方にコツがあります。

それは自分ができる範囲を提案をしながら断ることです
「できません。以上。あんた頭おかしいんじゃないの、出直してこいや」といきなり食ってかかると相手の心証を悪くしてしまいます。

なので心証を悪くしないままお断りするには、自分ができる範囲を明示した上で、ここまでならできます、と言う言い方をして断るようにしましょう

具体的には?

例えばあなたがデザイナーだとしましょう。
そして仕事の発注先からこんなことを言われたとします。

このページのデザインを全部、今日中にお願いしますね!

当然、全部できるわけはありません。

ところが発注側に理解がない場合、「デザインなんてパソコン開いてすぐでしょ」と言わんばかりにナチュラルにお願いをされることがあります。

ここはぐっとこらえましょう。
そしてあなたはこう言うのです。

すみません。まず、全部のデザインはできません。
今日中にクオリティーを保ったまま完成させられるのは全体の3分の1分までです。

もしくは期日が優先なのであれば、今日中に終わらせることも可能です。
ですがクオリティは低くなり、具体的には(プロジェクト名を提しながら)〇〇程度になります。

その2択になりますがどちらがいいですか?

まずあなたはできる範囲を示します。
そして期日を取るか、クオリティーを取るのか、を選択させるのです。

そうすればあなたは無駄に神経を使うことなく、極力相手に悪い印象を与えないまま、円滑に業務を進めることができるのです。神経を無駄にすり減らすこともありません。

自分ができることの範囲を知っておく

自分が時間あたりどの程度のことができるのかを知っていないと、このような交渉はできません。もしあなたが1時間でどのくらい作業が進むのかを全く見当がつかないのであれば、少しだけ作業を着手してみて、どのくらいかかるのか推測しておくのをお勧めします。

トレードオフスライダー

また説得するときの材料として、トレードオフスライダーと言う言葉を知っておきましょう。これはエンジニアリングの世界で使われる言葉なのですが、プロジェクトの

  • 品質(Quality)とコスト(Cost)
  • 納期(Delivery)と仕事の範囲(Scope)

は、それぞれ両立できないと言う意味です。
言葉の頭文字を取ってQCDSと呼ばれることもあります。こちらはプロジェクトの要件を決めるときにこれを明らかにしないとダメな仕事しかできないと呼ばれている要素のことです。

トレードオフスライダーの図。品質とコスト、納期と仕事の範囲はそれぞれ両立しないことを示している。
トレードオフスライダーの図。品質とコスト、納期と仕事の範囲はそれぞれ両立しないことを示している。

品質を上げようと思ったらコストが犠牲になる。
コストを下げようと思ったら品質が犠牲になる。
品質を上げつつコストを下げる方法は存在しません。つまりこれは両立しないのです。

納期と仕事の範囲も同じです。
仕事の範囲を広げたら、納期が犠牲になる。
納期を守ろうとすると、仕事の範囲が犠牲になる。
仕事の範囲を広げつつ納期を守るのは不可能であり、こちらも両立しません。

この両者が両立しない関係をトレードオフと呼び、どんな仕事やプロジェクトであっても両端に品質とコスト、納期と範囲と書かれたスライダーを左右させるしか方法がないことを指して、トレードオフスライダーと呼ぶのです。

もちろん、長期的には品質も改善しつつ納期も前倒しにする方法はあります。
しかし、目の前の仕事に対してその言葉を使ってはいけません。それは同じ作業をひたすら繰り返し、改善点を探した結果発生するブレイクスルーなのです。目の前の初めての仕事にそれを当てはめるのは、全く別次元の話です。
少なくとも、初めてやるような仕事に対して使う言葉ではないのです。

納期も守りつつ、仕事の範囲を広げていく、と言う無茶苦茶な要求をする人は、この点の理解ができていません。これはITエンジニアにかかわらず、どんな仕事にも関係してくる本質でもあります。
どんな人間にも限界はあるのですから、無茶な要求には「無理だ」と言うしかないのです。

それでも無茶な要求をされたら

さて、それでも無茶苦茶な要求をされたとしましょう。
もしくは相手の立場がとても強くて、あなたは断れない状態だったとします。

基本的にそのような関係が長期的に続くのであれば、あなたはそのような仕事を請け負うべきではありません。そもそも業務委託とは受注側と発注側対等の端関係に立っていなければならないものなのです。相手が対等の立場に立つつもりがないのであれば、あなたは他の取引先を見つけるだけのことです。

むしろそのような業者と仕事をしていることが、あなたの長期的な信用を失うことにつながるかもしれません。長期的に見ても損しかしないわけですので、さっさと縁を切って切り替えてしまうのが良いでしょう。

まとめ:無茶な要求には提案しつつお断り

いかがだったでしょうか。無茶ぶりされたときの、しっかりとしたお断りの方法をご紹介しました。

最初は難しいかもしれませんが、慣れれば自然とできるようになります。
ぜひとも試してみてくださいね。