インフルエンサーの競争相手?バーチャルインフルエンサーとは

Instagramの中やTwitter、ブログなどで情報発信をする人に企業が宣伝のためにお金を払う。フォロワーたちがそれを見て企業の製品を買う。それがいわゆるインフルエンサーと言われる仕事です。日本でもインフルエンサーだけで稼いでいる人も少数ながら存在しています。

しかし最近、バーチャルインフルエンサーと呼ばれる新たなタイプのインフルエンサーが登場しました。バーチャルインフルエンサーは存在しないインフルエンサーなのです。

バーチャルインフルエンサーとは

そのものずばり、CG(コンピューター・グラフィックス)で作られた、
実在しない人間のインフルエンサーのことです。

実在する人間が投稿をしたり、写真をアップロードするインフルエンサーとは違います。
最初から企業が用意したCGに服を着せて写真をアップロードしたり、人間らしいツイートをしたりします。実在せず、企業が持つデータベースと担当者による投稿こそがその「実態」です。

実際に見てみましょう。全世界に160万人のフォロワーを持つリル ミケーラ(@lilmiquela)は、バーチャルインフルエンサーです。アメリカ・ロサンゼルスに拠点を置くスタートアップが開発し、人間と似たような質感を完全に再現しています。人間のインフルエンサーと同じように、実際に行われたイベントに行ったり、実在する場所で撮影をしたり、出会った有名人と撮影したりするのです。

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My first #cfdaawards 💖 Really feeling the energy being surrounded by all these legends, so lucky to be here! 💚💗💚

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日本にもすでに上陸しています。imma.gramはバーチャルモデルとしてInstagramで活躍中。
こちらは頭の部分のみが3DCGで、身体の部分は実際に撮影しているそうです。もはや実写なのかCGなのか、完全に区別がつかないレベルにまで進化していますね。

バーチャルインフルエンサー、なぜ流行りだした?

実はバーチャルインフルエンサーに用いられている技術はそこまで難しいものではなく、ある程度リアルなCGはすでに2010年前後から作れるようになっています。
ではなぜ最近になって注目を集めているのでしょうか?

1つは企業側のコストの削減に役立つことです。
本物のモデルやインフルエンサーは時給も高く、撮影のために数時間かかり、何百枚も撮り直しをしなくてはなりません。撮影に必要なスタジオや機材、カメラマンの費用も企業側が広告宣伝費として負担することになります。

その一方でバーチャルインフルエンサーはコンピューターグラフィックスで作れば済むため、わざわざ高いモデルを使ったり、何百枚も撮り直しをすることにはならないのです。
そしてかつてはリアルなCGを作るのには特殊なコンピューターと技術(=コスト)が必要とされていましたが、近年では個人用PCですらかなりリアルな画像を生成できるため、技術的なハードルが下がってきたことも関係しています。

さらに企業側からするとバーチャルインフルエンサーはリスク管理もしやすいのです。
本物の人間にインフルエンサーやモデルを頼むと炎上のリスクがあります。芸能人は失言もしますし、犯罪や不倫などでイメージを落とすこともあります。もちろん、そのモデルや芸能人と契約を結んでいた企業もその炎上に巻き込まれるわけです。
ところがバーチャルインフルエンサーはそもそも存在しないので失言をしませんし、犯罪も不倫もしません。完全に企業にとって都合の良いイメージを作り上げることが可能です。

さらにバーチャルインフルエンサーはコンピューターで作られているので、どんな見た目の人間でも作ることができます。完璧な美貌を持ったモデルを1から作り上げることも可能なので、この点では完全に人間の上位互換と言ってしまって差し支えがないでしょう。

インフルエンサーとして「共感」での勝負になる

企業にとって完全に都合の良い存在として作り上げることができるバーチャルインフルエンサー。しかもコストも見た目も人間よりも良いとなると、まるで人間には勝ち目がないように思えてしまいますね。

しかしそもそもインフルエンサーの仕事とは、フォロワーに対して「いいな」と思ってもらい買ってもらうことです。フォロワーが「いいな、自分も買おう」と思うのは見た目が完璧だからではなく、インフルエンサーに対してある種の自分と似たような親しみを覚え、共感をするからです。人間であろうとバーチャルであろうと、この部分が変わる事は無いのです。

どれだけフォロワーに共感してもらえるか、と言う点では人間のほうに大いに分があると言えるでしょう。特に独自のノウハウがあるプロのインフルエンサーはまだまだ有利なはずです。

これからはインフルエンサーがどれだけフォロワーに迫れるか、で人間とバーチャルの戦いになるでしょう。もちろんお互いにつぶし合うのではなく、良きライバルとしてインフルエンサーマーケティングを高めていくきっかけになるはずです。

バーチャルインフルエンサー、これからも注目です。